大変遅くなってしまいましたが、1月24日〜2月2日まで、中野シズカさんと一緒にフランスに行ってきましたそのご報告第一弾です。
今年で33回目を迎えたアングレーム(南仏)コミックフェスティバルに、中野さんの「刺星」を翻訳出版された出版社IMHO(イエマンショー/丸尾末広、日野日出志、水野純子、ねこぢるの各氏の本を翻訳出版している)の経営者ブノア氏より招待を受けました。日本のコミックの人気は相変わらずで、何処に行っても「アックス知ってるよ」と言われ感激。初のサイン会がおフランスという中野さんも、最初は緊張していたけれど、お客さんのリクエストに答えながらフランス語で交流(有る程度の会話が出来る!)。中野さんも私もインタビューが山ほどで時差ボケしている暇も無し!
さらに今年のオフィシャルゲストはしりあがり寿さんで、しりあがりさんご一行(さるハゲ事務所メンバーのアッキー(秋山みみこ)と斉藤氏、会場内で「恋の門」が上映される羽生生純氏と妻子)もアングレームへ。
フランス滞在中、ずーっと通訳でついてくれてたのはパリ在住の日本人女性さとこさん。彼女は音楽関係の仕事(レーベルを作ったり、イベントやコンサートを企画)をされている方で、友沢ミミヨちゃんともお知り合い。今回フランス版「刺星」の翻訳担当もさとこさんでした。
とりあえず第一弾は10日間のスケジュールです(すごく長いです、ゴメン)。感想やエピソード、写真はまた後ほど。(手塚)
【仏スケジュール】
1月24日(晴)
・16:00 ドゴール空港着
・ブノアの車でパリを一周した後、モンパルナス駅前のホテルへ。(後半パリに戻ってもほとんど観光できなかったので、パリ観光名所一周はありがたかった)
・夜、ブノアの家で、通訳のさとこさんとボーイフレンドでミュージシャンのエリックと一緒に、ブノアのガールフレンド美樹さんの手料理を頂く。しばらく日本食がたべられないだろうからとわざわざ作ってくれた和食がとても美味しかった(豆入りラタトゥイユ、ポテトサラダ、鶏肉の柔らか煮、豆入りごはん、きゅうりの酢の物、ブノワのお母さん特製生さくらんぼのタルト、ワイン)。
23:00 ホテルに戻る
25日(曇)
・08:30 起床
・10:20 ホテルロビーにブノア、さとこ、オロールが迎えに来てくれモンパルナス駅へ。特急列車でポワティエに出発。
・11:30 ポワティエ着
・12:00 書店「BULLEES D`ENCRE」とIMHOのメンバーで食事。(中野/鴨ロースト・手塚/シャケと白身魚のくし焼き、コーヒー)
・14:00 中野さんサイン会(とても小さな田舎町にもかかわらず10人位の人が来てくれた)
・18:20 再び特急列車でアングレーム着。IMHOのブースに立ち寄った後ホテル「TOP CIEL」へ。
・夜、街中へ出てIMHOのスタッフ(IMHOはブノア、オロール、バチストの三人のみの会社。みんな20代で若い!)と食事。(中野&手塚/バラのシャンパン・舌平目とホタテのクリームソース、ワイン、コーヒー)
23:30 ホテルに戻る
26日(曇)
・08:00 起床。朝食後まっすぐIMHOのブースへ。昼前しりあがりさんの個展会場へ。個展会場の通りには、アックス創刊号に描いていただいたしりあがりさんのイラスト入り垂れ幕がかかっていて思わず感動。会場で韓国の編集者キムとバッタリ会う。
・12:00 昼食はカフェで、フランスパンのハムサンドとコーヒー。
・14:00〜16:00 IMHOのブースで中野さんサイン会(14:30頃今回しりあがりさん招待で力を尽くしてくれたジュリアンがブースに迎えに来てくれ、私はブースを離れてしりあがりさんご一向がいるレストランへ。ちなみにジュリアンは何度も日本に来ており、以前四谷三丁目の飲み屋でしりあがりさん、ビームの岩井さん、それに私と浅川クンで飲んだこともある)
・17:00 スイスのジャーナリスト、クリスチャン・ガッサー氏のインタビュー。(ガッサー氏は以前辰巳さんのインタビューで工藝舎にいらしたことがあったので会うのは二度目)
・我が社の本を翻訳出版している各版元のブースに挨拶。
・夜 しりあがりさんご一向、ブノア、ジュリアン、他多数の15人ぐらいで食事(中野/ライスとサーモンのサラダ・手塚/野菜のジャガイモ唐揚げサンドみたいなもの、ワイン、コーヒー)
23:30 ホテル着
27日(晴)
・08:00 起床
・11:00 フェスティバル本部階段踊り場にて、しりあがりさん壁画のパフォーマンス開始(3日間続けられた)のため見学に。
・昼食 ケバブサンド(立ち食い)
・12:00 マンガ雑誌インタビュー
・13:30 Mixx FMラジオインタビュー
・16:30〜18:00 映画館にて、しりあがり・中野・手塚・エスベスフランカン、ジャーナリストのナタリーさんの4人で「インディーズマンガ」というテーマで公開座談会。約1時間ぐらいだったけど、通訳が入るので、そんなに沢山の話はできなかった。
・19:00 ブノアと中野さん、さとこさん、座談会で司会をされたジャーナリストのベルトン、出版社グレナの若い編集者と食事。(中野&手塚、白身魚のクリームソース、チーズ、ワイン)
・24:00 ホテル着
28日(雪)
・08:00 朝食後会場へ。大雪!
・10:00 プレスにて雑誌「コヨーテ」インタビュー
・11:00 プレスにて雑誌「マンガ・アルテ」インタビュー
・15:00 ミニシアターにてラジオ生放送討論会に出演。メンバーは中野さん、私、キム、マンガ家で出版も手がけているパリ在住の韓国人女性とフランスのマンガ家(名前忘れたスミマセン)でテーマは翻訳の問題点について。司会者のフランスジゴロみたいな男性が中野さんのファンで一目ぼれ状態。中野さんに質問するときに、いちいちテレているのがおかしかった。なんだコイツ!
・17:00〜19:30 IMHOのブースで中野さんサイン会
・夕食 ドイツ料理(中野&さとこ&手塚/サラダ、ザワークラウト、白身魚のオリーブオイル焼き、コーヒー)
・20:30 イタリアレストランでフランス・スイス・韓国・ドイツのオルタナコミックエディター達とミーティング。各国が協力しあってオルタナマンガを発展させようというプロジェクトの第一回目のミーティングだったが、メンバーは他にもたくさんいらっしゃるので、今回はまずアングレームに集まった人達の顔合わせ的なものと思っていたら、いろいろと具体的な話になって白熱。でもまだまだ問題は山積という感有り。(ワイン、パンナコッタ三種)
・23:00 プレスルームでのパーティに参加
・24:00 雪でシャトル(送迎車)がストップしたためブノアの車でホテルに帰る。しりあがりさんご一行はこの夜結局ホテル(お城)に帰れず、近くの民家に泊めてもらった。
29日(晴のち曇)
・08:00 起床
・12:00 ブース通路にて「ジャパン・タイムズ」インタビュー
・昼食 中野&さとこ&手塚(きのこのオムレツ・ジャガイモとベーコンのグラタン・トマトサラダ・コーヒー)
・14:00〜16:30 IMHOのブースで中野さんサイン会
・18:00 アングレーム出発
・21:00頃 パリ着。ホテルはサンミッシェル駅近く。ちなみにしりあがりさんご一行のホテルは偶然にも私たちのホテルから歩いて5分ぐらいのところだった。
・夜食 ホテル近くの安い中華屋でササッと食べる(ビーフン・餃子・生春巻・ライチ)
30日(晴)
・08:00 起床 ホテルの周りを散策
・12:00 ホテル近くの中華屋で昼食(中野/ラーメン 手塚/チャーハン)
・14:00 美樹さんと駅前で待ちあわせ。すぐ近くにアックスが置いてある謎の本屋を教えていただき侵入。山のように積まれた本の奥で店主がニコニコと微笑みながら迎えてくれた。中野さんの特集号も発見!その後美樹さんの案内で骨董市で有名なパリのダウンタウン、クリニャンクールへ地下鉄で移動。おみやげのお買い物。骨董雑貨屋&古本屋で物欲爆発!
・19:00 ホテル前でしりあがりさんご一行と待ちあわせ、オイスターバーで夕食。(生牡蛎3種・ワイン・手塚/帆立のソテー&温野菜・洋梨のシャーベットリキュールがけ 中野/鴨ロースト・アイスクリーム)目ン玉が飛び出るほど高かった!
・23:30 ホテル着
31日(晴)
・08:00 起床 地下鉄でアベスに移動。カフェでコーヒー。
・12:00 アベス駅前広場でさとこさん、しりあがりさんご一行と待ちあわせして、サクレ・クール聖堂を見学しつつ、アールブリュット作品を展示している美術館へ。パリでは珍しく晴天続きで気持ちがいい。
・13:00 美術館近くに有るブランケ、パキート、ピエラポリス等の作品や本を扱っているすごく面白い店をさとこさんに教えていただき買い物。ここで羽生生さん、誰かの原画を購入。誰のだったか後で聞いてみよう。(さっき羽生生さんのHPを覗いたら、チャールズ・バーンズのリトグラフだった)
・13・30 さとこさんお勧めの店でみんなで昼食(クスクス、レモン生ジュース)。クスクスがこんなに美味しいとは驚き。パリでは移民が経営しているレストランの方が安くて美味しい。
・しりあがりさんご一行と分かれて街を散策。となり駅ピガールまで歩く(エロショップ、ストリップ劇場など、ここはエロの街で面白い、ワクワク!)
・16:00頃、地下鉄でパリ中心街に戻りお土産のお買い物。といってもこの辺は高いぞ! 運良く街中セール中で石鹸や蝋燭をやっと買えた。途中、剥製が展示している店に入る。お土産物は面白かったけど、小鳥まで剥製にされててちゅんこを思い出してしまい胸が痛くなる。剥製は金持ちが家に飾るために買っていったりするそうな。馬鹿者めが!
・18:00 エッフェル塔のすぐそばにあるパリ日本文化会館へ。時間が無くタクシーで移動。タクシー初めて乗ったぞ! 運ちゃんは陽気な黒人。
・18:30〜20:00 同館にてしりあがりさんの講演。300席ある会場は満員! 私たちも危うく入れないところだったが、しりあがりさんの通訳担当、パリ在住のジャーナリスト渡辺さん(根本さんの大ファン!)が何とか都合をつけてくれやっと入場できた。司会はジュリアン。観客の半分はパリ在住の日本人(若い人がほとんど)。作品をスクリーンに写しながらマンガの話や、政治の話などもちょこっと。こうしてしりあがりさんの作品がパリで紹介されるのは嬉しい。「ジャカランダ」の話のくだりで、ジュリアンがアックスの紹介をしてくれ、会場から拍手が! すごく嬉しかった&ビックリした!
・夕食 ブノア、美樹さんと中華街に地下鉄で移動して食事(手塚/タイカレー・タロイモのコロッケ、中野/麺と肉の丼みたいなもの・タロ芋コロッケ)
・24:00頃 ホテル着
2/1日(晴)
・08:00 起床
・11:00 IMHOのオフィスへ。
・12:00 IMHOの近くに有るコーネリアス(「ツノ病」を翻訳出版)のオフィスへ。ジャンルイ手作りの昼食(ワイン、ニンジンとカブのマリネ風、ズッキーニのチーズ&半熟卵のせ、レンズ豆のスフレ、洋梨、コーヒー)。ジャンルイも我が社に来られたことがある。ミミヨちゃんもパリに住んでいたときにコーネリアスの事務所に遊びに行かれたそうな。帰りに本をたくさんいただく。
・15:00〜19:00 ホテル近くの書店「ALBUM MANGA」でサイン会。この書店はパリでも有名なチェーン店で、サイン会会場となった店は日本マンガの専門店。熱心な男性ファンも現れ、サインとは別に似顔絵を迫られたり彼が好きな作家の作品を見せられたりと、かなり粘ってくれたが、中野さんはニコニコと丁寧に応対。サイン会の後同場所にて、フリーペーパー「ジパング」とマンガ雑誌のインタビュー2本。
・20:00 さとこさんの家で、ブノア、美樹、オーロール、エリック、エリックの友人とで、さとこさん手作りの夕食をいただく(ゆかりごはん、味噌スープ、暖炉で焼いたシャケとジャガイモ、林檎とキャラメルのタルトタタン、ハーブティ、ワイン)。暖炉というものはこんなに暖かいものか、と感動。煙は全て煙突に吸い込まれていくので全然臭くない。さとこさんとエリックの家は楽器やCDで溢れていた。楽しそう〜。
・24:00 ホテル着
2日(曇のち雨)
・08:00 起床
・10:15 ホテルロビーでブノア&美樹さんと待ちあわせ、ブノアの車で再度コーネリアスのオフィスへ。
・11:00過ぎ オフィス近くにある書店「テットロック」へ。この店は店主(浅川クンの奥さんの友人)の趣味で本棚が構成されていて、すごくいい感じ。なんとアックスが揃っている! さらに、世界中を旅している店主が各国で買い集めてきた工芸品、中国と日本のお茶も売っている。店内に併設されているティールームでお勧めの中国茶を頂きながらしばし歓談。中野さんがサインを求められサイン帳を開くと、前のページにしりあがりさんのサインがあるではないの。きっとジュリアンに連れられて来店したのだろう。何か変な感じだが嬉しくなる。話しているうちに思い出したんだけど、このおじさん、一度工藝舎に来た人だった。「日本の珍しいお茶はないか」と聞かれてたまたま会社にあったソバ茶を入れてあげたことを思い出した。たくさんのレアもののお土産をいただいてお別れ。
・13:00 ブノア&美樹さんとコルシカ島料理の店で昼食(中野/兎の肉・チョコレートケーキ、手塚/白身魚ソースがけインゲン&ほうれん草添え・チーズケーキ、コーヒー)。安いので大繁盛!
・14:00 駅前で労働者達や移民のデモが始ったので、渋滞を心配して早めに空港へ出発したが、途中ブノアの車が煙を吐き出し修理必要となったため、ブノアと車を残して美樹さんといっしょにタクシーで空港へ。それにしても煙には驚いた。映画のワンシーンを観ているようで、ドキドキした。
・16:30頃 ドゴール空港を離陸(一回目の離陸に失敗しやがったのでちょっと不安だった)。飛行中二人とも爆睡。
|